告白
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「好きです」
 俺は目の前の少女をまじまじと見つめた。告白、されてるんだよな、俺。
 高校生活において恋愛なんてことは誰でも妄想するだろうし、そういうことがあればいいと考えて当たり前の出来事だが、いざ目の前に差し出されるとどうしていいか分からなくもなるものだ。
 嬉しくないか? と言われればそりゃ嬉しい。
 だが、どうやら俺も非日常な事件に振り回されることに慣れちまって、こういういかにも高校生らしい日常です、といったことに対する憧憬といったものにすっかりご無沙汰しちまっていた。
 しかしどうしたらいいんだ。まったく予想していなかったことの答えをここで出さなくてはならないのか。
「えーと、何で俺なんだ?」
 我ながら間抜けな問いかけだが、俺を好きになるって要素が思いつかない。俺にもてる要素があるなんてこれっぽっちも思えないしな。くそ、自分で言ってて空しくなってくる。
「そ、それは……」
 少し頬を染めて俺から視線をそらすなんて反応も、いかにも女の子らしくていいのだが、どうも慣れない俺は戸惑ってしまう。
「……優しいから?」
 何故に疑問系なんだ。それに優しいか? あまり優しくした覚えはないんだが。覚えがあるとすれば朝比奈さんくらいか。
 俺の沈黙をどう思ったのか、少し不安げな表情をして俺にあらためて聞いてくる。
「それで、返事は聞かせてもらえるの」
 さて、俺が付き合うとなったらSOS団はどうなるんだろう。俺は何だかんだ言ってあの妙な集まりにそれなりの愛着を感じているらしい。彼女なんてものを作ったがために、SOS団との関わりが変化してしまうのは正直怖い。
 しかし目の前の不安な表情を裏切りたくないという気分にもなる。
 俺にとって大事なのはどっちなんだ?

 なんてな、本当は答えなんて最初から決まっていたんだ。

「そんな顔すんな」
 悪いな、そんな顔させて。もう2度と不安にさせないと誓うから。
「俺もお前が好きだ、ハルヒ」
 そう答えを出すと、目の前の少女は花が咲いたような、俺の一番好きな笑顔になった。


  おしまい。


叙述トリック難しいw
何も考えずに書くと同じ表現の使い回しが多いことに気がつく。