「涼宮ハルヒの憂鬱」二次小説。キョン×ハルヒ。原作ネタバレ注意。

SS 正・反・合

2008 - 04/26 [Sat]

ぶっちゃけつまらん。けどUP出来るものがないのでUPしてしまう。

どうも電波受信用のアンテナも電波増幅器も故障中のようで、つまりSSが書けなくなっていた。
それでも何か書こうと、辞書とか適当な本を適当に開いて目を瞑って指さした単語をテーマに書くということを何度かやっていたのだが、いまいち書けてない。
これもそうやって書き始めた話で、完全にテーマを逸脱している。
なのでタイトルも変えました。

↓ハルヒは登場しません。あと、設定は俺の捏造です。古泉しゃべりすぎ。

  正・反・合


 涼宮ハルヒという不可思議盲進女と出会ってしまってから、俺の日常が一変したなんてことは今これを読んでいる人に言っても今更としか思われないだろうが、それにしてもゆっくり休む間もなく高校生活の1/3が過ぎていってしまったことには変わりない。
 SOS団は1学年進級した後も相変わらず放課後は文芸部室にたむろし、週末は見つかりもしない不思議なことを探す町歩きを行っており、いったいこの宇宙人・未来人・超能力者と称するやつらと一緒にいるのが非日常なんだか日常なんだか判別つけがたい日々を過ごしていた。
 いや、俺にとっては既にこれが日常になっちまってるんだよな。
 そして、その正体に気がついていないながらも、ハルヒにとってもまた放課後をこのメンバーで過ごすのが日常になっているはずで、こいつは自分の願望が既に実現していることを知る日が来るのかね、と考えると何故か交番に届けるために財布を拾ったのにジロジロ見られているような後ろめたい気持ちにならなくもない。
 ハルヒが真実を知る日が来るのかどうかなんてことはわからない。多分わかっているのは朝比奈さん(大)くらいだろう。そしてわかっていても俺に教えてくれるなんてことは本能寺の変を事前に信長に伝えるくらいにあり得ないはずだ。

 さて、そのハルヒについて俺は常々疑問に思っていることがある。
 それは何か。
 古泉は言った。
 長門のような宇宙人、朝比奈さんのような未来人、そして古泉のような超能力者が存在しているのは、ハルヒがそう願ったからであると。もちろん無自覚に力を発揮しているのには違いないが、それにしてもSOS団を結成し、この3名を一団に加えてしまったのは明らかに偶然ではないと。
 この際俺については考えないことにする。今までも散々考えたが、結局俺はただの人であり、人に言うと頭がおかしくなったんじゃないかと疑われるようなプロフィールなんか持っちゃいないのは明らかだ。この点についての考察は既に放棄しており、今更疑問に思うも思わないもない。なぜなら俺はもうとっくの昔に巻き込まれているわけだし、去年の12月に“こっち”を選んだのも俺だからだ。
 では何を疑問に思っているのかって? そんなの簡単だ。誰でも思うはずだ。

 何故、ハルヒは中学時代に宇宙人・未来人・超能力者と出会うことができなかったのか?

 古泉の能力は4年前にハルヒから授かった、とあいつは言った。同じく4年前に情報統合思念体はハルヒを中心とする情報爆発を観測したらしい。そしてその4年前より以前には時間遡行ができない、と朝比奈さんは言う。
 いったいハルヒの能力がどういう物で、4年前に何があったかなんて知ったこっちゃない。知ったとしても到底俺に理解できるとも思えない。
 だが、既に4年前にはハルヒに謎の能力があったのは事実で、閉鎖空間とか言うものを作りだし《神人》なんてたいそうな名前を付けられた青い巨人を暴れさすなんてことは中学時代からやっていたはずだ。
 だったら、宇宙人・未来人・超能力者を身近に置くことだって簡単にできたはずだ。たとえ、本人の自覚はないにしても。

「なるほど、涼宮さんの能力を考えると、もっと早くに我々3人が集結する、ということを1つのテーゼとするアンチテーゼですか」
 チェスのコマをもてあそびながら相変わらず微笑みをたたえて古泉は言った。
 放課後の文芸部室、こんな話をしていることからお分かりだろうがハルヒはいない。ついでに言うなら朝比奈さんもいない。ハルヒはいつも通りの勢いでドアを開けたかと思うと、「みくるちゃんをモデルにするわよ!」とわけの分からないことを叫ぶやいなや、何も説明しないまま朝比奈さんを引きずって出て行ってしまった。メイド服のまま。モデルってなんだ? と思っていたらSOS団の解説係がその役目を果たすには、手芸部のファッションショーにモデルとして朝比奈さんを参加させるらしい。モデルならハルヒが自分でやればいいと思うのだが、ハルヒは朝比奈さんを着せ替えることが趣味のようで、本人は参加しないらしい。なんとなくもったいないと思いつつホッとしているのは何でかね。
 取りあえず手芸部の衣装なら、ハルヒが持ち込むセクハラ衣装のようにはならないだろう。モデルとしていろいろな衣装を着ている朝比奈さんがはにかみながら微笑んでいるのを想像するとつい顔がゆるんでしまうが、お茶が出ないのは寂しいな。

「テーゼとか弁証法とかそんな難しいことは考えちゃいないぜ。ただ何でだろうと思っただけだ」
 古泉に話すとわざわざ難しくされるんだってことを俺もそろそろ学んでいい頃だな。
「簡単に言えば、我々3人が集結したのは涼宮さんの能力ゆえか否か、ということでしょう」
「ハルヒの能力だってことを疑ってないんじゃなかったのか」
「おや、僕は疑いを持っていると申し上げたはずですが」
 やっぱりこいつは殴ってやるべきかもしれない。お前の疑いってのは、ハルヒが神なんてものに祭り上げていることに対してじゃなかったのか。
「もちろん冗談です。覚えていてくださって光栄ですよ」
 お前の冗談は笑えん。
「以前にも申し上げたとおり、涼宮さんが僕たちを集めたときには彼女から明らかに人知を越えた能力が放たれていた、と解っています。つまり僕たちは集められるべくして集められた、ということは疑いありません。この点については長門さんも同意してくださると思いますが」
 それまで俺たちの話なんか聞いていないように、俺からしたら枕にしかならないような分厚い専門書を読んでいた長門は、古泉の言を受けて顔を上げた。
「我々を集める涼宮ハルヒはその意志を情報として周囲に影響を及ぼしていた。彼女が情報操作をしていたのは確実。ただしその操作法は不明」
 そう言う長門はどういうわけかその物静かさを反映した漆黒の瞳を俺に向けていて、ふと見ると古泉も判で押したような笑顔を貼り付けて俺を見ている。
 2人ともなんなんだ、その何か言いたげな視線は。
「閉鎖空間は、涼宮さんにとっても特殊な能力発揮場所だと言えます。この時空間以外の場所で能力を発揮するのはあの場だけですから」
 言われてみれば確かにそうかもしれない。だが、それがどうかしたのか。
「この現在空間で涼宮さんが能力を発揮するには、彼女の感情が大きく影響しているようです。映画撮影のときのことを覚えていらっしゃいますか」
 そりゃ忘れるわけがない。映画撮影自体でテンションが上がったハルヒによって朝比奈さんが偉い目にあったわけだ。それ以外にもドバトが白鳩になった挙げ句リョコウバトになったり桜が秋に咲いたりシャミセンがしゃべったりしたよな。
「その通りです。あなたがおっしゃるとおりあの時彼女はテンションが高い、つまり上機嫌だったわけです。特に後半の桜と猫に関する件は言うまでもないでしょう」
 だからそれを思い出させるな。
「彼女は中学時代、いえ、高校に入学してからもある時期までは非常にイライラしている状態でした。閉鎖空間こそ頻発していましたが、彼女が我々のこの時空間に影響を及ぼすことはほとんどありませんでした。実際、我々が閉鎖空間以外でその能力を目の当たりにするのはSOS団結成以後のことです。つまり────」
 だんだん古泉の言いたいことが分かってきた。ちっとも嬉しくないがな。
「あなたのせいです」
 またそれか。どうしてどいつもこいつもハルヒのやるアホみたいな世界改変の責任を俺に負わそうとするんだ。俺は何もしちゃいない……と思う。俺は特殊な肩書きなんかこれっぽっちも持っちゃいない一普遍的男子高校生であって、俺自身がこの世界に対して出来ることなんかこれっぽっちもありゃしない。それなのに何かあったら俺のせいにされるのは業腹だ。
「逆に閉鎖空間の発生は圧倒的に少なくなっています。これについては感謝するべきでしょうね」
 だから俺は何もしちゃいない。そんな感謝されたって嬉しくもなんともねえよ。
 古泉は苦笑を浮かべたが、それでもまだ黙る気はないらしく、言葉を続けた。
「涼宮さんが能力を発揮することを止めることは残念ながら誰にも出来ません。しかしながらわずかでも制御できる人間がいるとしたら、あなたをおいて他にはいないでしょう」
 俺はハルヒの制御装置かよ。
「その見解にはわたしも同意する」
 長門、お前もか!
「あなたは涼宮ハルヒにとっての鍵」
 いつか長門が自分の正体を告白したときに言ったセリフだよな。て、それはそう言う意味だったのか?
「それだけではない」
 なんか昔古泉にも同じことを言われた気がするが、どういうことだよ。
 だが、長門はそれ以上何も言わず、読んでいた本に視線を落としてしまった。長門も思わせぶりな発言なんてするようになったのかよ、とは喜べないな。

「朝比奈さんとハルヒは遅いな」
 そろそろ朝比奈さんのお茶が恋しい。
 古泉は俺が話題をそらしたことに肩をすくめたが、それ以上何も言わなかった。対戦していたはずのチェスも止まったままだ。そろそろ勝負を決めるとするか。

 ハルヒを誰かがどうこう出来るなんて思えるわけがない。あいつは唯我独尊を地でいく女だ。
 それでも、あいつが今笑っていられる原因とは言わなくても一因が、あの時俺が話しかけたことであるとしたら─―――あの時の俺を誉めてやってもいいよな。
 あいつの能力がどうとか閉鎖空間がこうとか知ったこっちゃない。

 ハルヒには笑顔でいてもらわないと今の俺が落ち着かないから、ただそれだけってことだ。


  おしまい。

No title

ほへー、slime氏もそうですが、
お二人とも頭いいですな。。。

SS読んで確かにっ!!って思ってしまった僕。。
もっかい原作読もうと思いました!!

No title

僕もROXー3と同じく読んでて「なるほどぉ・・・・」と一人で感心してました!

エースAのハルヒのまんがで消失が始まったのでそれを読んだあとにこのSS読んだらさらに原作読みたくなりました!

No title

>何故、ハルヒは中学時代に宇宙人・未来人・超能力者と出会うことができなかったのか?

これは私も思いました。憂鬱の冒頭部でキョンがそう望んでいる節が描かれていますよね。

うーん、やはり3年前の七夕がキーですよね、ここから前に遡れないっていうのが気になります。まだ何かありそうですよね『涼宮ハルヒ』シリーズ!

No title

ハルヒがなんであれ、笑顔が一番大事って思ってるキョンがいいですね(´∀`*)このやろーめw

それとつまらなくなんかないですよ、911さんのSSは読み応えがあって好きです。ゆっくりでいいので焦らず、これからもがんばってください〜^−^v

No title

ふむふむ言いながら読ませてもらいました。
甘い要素無しのこういうトーンのSSも好きです〜。
こんなネタ思いつくのはさすがだなーと思います。
わたしなんて完全右脳人間なので全く思いつきもしませんでしたw
原作を初めから読み直そうかな。リハビリ頑張ってくださいね。

No title

キョン語りがスバラシイ。

いわゆる能力の方向性ってやつですか。ハルヒはずっと待っているだけだったのが、キョンの一言によって自分から探すようになった。この「自分から」ってのが世界改変のハジマリなんでしょうね。
と漠然と思ってたりします。

まとめて返信です

毎度コメントありがとうございます!

>slime様
書けないとおっしゃりながらスレに投下されていましたよね?
詰まっているとは思えないほど良かったです。
違っていたらすみません。
こういうハルヒの能力とか時間移動とか宇宙的なこととか妄想するのは楽しいのですが、脳みそが足りないのでいつも中途半端ですw
4年前になにがあったのか何て妄想もしていていつかSS化したいのですが、まったく目途がついておりません。
てか自分にしては壮大なオチを考えて、それに見合う風呂敷を拡げられないといったところですorz

>ROX-3様
いえ、俺の頭はだいぶ末期かとw
この件に関しては他の理由も考えられるでしょうし。
ハルヒの能力制御がキョンにしか出来ないというのは俺の願望みたいなもんですw
自分も原作読み返さなくてはと思ってる今日この頃です……。

>ハルヒのファン様
実は漫画版を読んでいないのですが、消失に入ったんですか。
消失はハルヒの中でも一番人気のようですね。
何故か消失長門が好きという人が多くて俺は納得行きません。
長門は元の長門が一番であって、キョンしか読めない表情とかキョンしか(以下略)。
ええ、実は単体だと長門好きなんですよ。
ただ、ハルキョン>>長門なんですがw

>sksk1様
実は似たもの同士ですよね、キョンとハルヒは。
ツンデレな部分もww
憂鬱の最後で、キョンも非日常的な世界を望んでいたということをハルヒが気がついていたのには少し驚きました。
ハルヒの勘の良さなのでしょうか。
それにしても、本当に中学1年のそのとき、なにがあったのか気になります。
原作で明かされるときが来るのでしょうか、それともマクガフィン的な扱いで終わるのでしょうか。

>ポクロウタ様
暖かいコメントありがとうございます。
でもこのサイトはハルキョンメインでやってるのにハルヒ出てませんがw
キョンにとっては今や非日常も大事だとは思うんですが、結局はハルヒがハルヒであることが一番なんだと妄想しておりますw

>R254様
というか、こんなことばかり最近考えている気がします。ハルヒ以外でもw
右脳人間、て凄いと思いますよ。天才肌の人が多いような。
俺は音楽も左脳で聴いている人間ですから(多分)。
リハビリはもう少しかかりそうですw
それでも完成までこぎ着けられるようになっただけマシになってるとは思ってますがw

>猪様
ありがとうございます。
でももうちょっと表現ひねれたな、とかキョンだったらこう言わせた方が良かったな、とか後から出てくるんですがorz
言い出したらキリがないんですけどね。
ハルヒは確かに中学時代色々やったにしても、結局やったことの結果を待ってるだけでしたね。
本当の意味で能動的にしたのはキョンだからやっぱり責任取るべきでしょうwww

No title

谷川先生こんな所でネタバラシしてないで驚愕出してください。

って思ってしまいました。
まさに『涼宮ハルヒ』における一つの疑問ですよね。結局ハルヒの『力』は本人ではある意味制御できてない気がします(ハルヒ自身も知りませんし)その『力』に意味を与えるのは他ならぬ"キョン"なんでしょうね。だから橘も佐々木に『力』を移す件い関してもキョンに許可を取りに来たんじゃないでしょうかね。つまり"キョン"が鍵である事はきっとこの作品の大きな意味なんでしょう。未だにキョンの本名が明かされない訳は『伏せ名』つまり真の『神』を封じる為の行為。なんて考えるのも面白いかも。
一つの事で無限の可能性。この作品にはまだまだ飽きる事がありませんよ。
再認識させてくれた作者様に改めて御礼がしたいです。ありがとう。
またスレに来ていただけるのを待ってます

>通りすがりの暇人様

いえ、過分にお褒め頂きありがとうございます。
ハルヒの設定に関しては、ほんとうに色々妄想できて面白いです。
ハルヒの能力・時間平面理論とか分岐点とか、情報統合思念体の存在理念とか(まあこれは人知を越えているのでしょうが)。
別方面では機関の組織として普段どう活動してるかとかも気になりますよね。
古泉の仮面の下はどんな顔か、とか。案外あのままだったりして?
ただ、この辺の妄想をしだすと全部長編ネタになってしまうのがネックですw
そしてどういう話を考えてもハルキョンにオチがついてしまうのですがw

『伏せ名』にそう言う意味があるとは知りませんでした。勉強になります。
確かにキョンだけ苗字すら出ていないわけで、て、コンピ研部長と生徒会長もだったw
でも主要登場人物ではキョンだけですよね。
さて、本名すら明かされないで終わるんでしょうかw

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「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次小説ブログです。
 キョン×ハルヒのカップリングをメインというかほとんどそれしか書いていません。
 何の予告もなく原作のネタバレをしていますので閲覧の際はご注意ください。
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