最大のライバル(オリキャラ注意)
捧げ物 | 編集

「改めて愛」の連載100回記念として、マクレーン様に押しつけたものです。
受け取って頂いてありがとうございました。

「改めて愛」がわからない方のための注意事項。
・ このSSに限り、完全オリキャラ視点です。改めて愛がオリキャラ中心のSSと言うわけではありませんので勘違いなさらないようお願いします。
・ 出来れば「改めて愛」を全話読んで頂きたいのですが、一応わからなくてもある程度は読めるかと思います。
・ マクレーン様の糖度を見習って、と頑張ったのですが足下にも及んでいないと言うw

↓ハルナ書けて楽しかったです<殴っていいよこいつ

「遅い! 罰金!」
 腕を組んで睨み付けるのは読者諸君が想像している人物ではなく、そして今このモノローグを語っている俺も「キョン」と呼ばれる人物ではない。
「悪い、これでも急いだんだよ、ハルナ」
 そう、きっとこいつの父親が聞いたら「やれやれ、母娘だな」とでも言いそうなセリフと態度でもって俺を迎えたのはHOS団団長であり俺の最愛の彼女でもあるハルナだ。俺は東中に進学してすぐにハルナに出会い……正直に言おう、すぐに好きになってしまった。
 ハルナが美人であることは言うまでもなく、その夏の太陽すら凌駕する笑顔もあふれ出てくる少し突飛な発想を実現してしまう行動力も、すべてがどうしようもなく魅力的だった。
 ハルナを魅力的だと思うのはもちろん俺だけではなく、はっきり言って高嶺の花だと思っていた。それでも前の席という地の利を生かして結構親しくなれたと思う。なんせこいつが作ったHOS団の団員1号になれたんだからな。
 だから、俺がマヌケな理由で怪我をしたときに保健室に連れて行こうとしながら何故か屋上まで引っ張っていったあげく告白してきたときは、もう筆舌に尽くしがたいほど嬉しくて、幸せで。思わず今まで隠してきた気持ちが溢れて抱きしめてキスしてしまった俺を誰が責められようか。
「その最愛の彼女を待たせるなんてどう言うつもり!?」
 だからすまんって。でも待ち合わせの30分前に来ても既に来ているんだから、なかなか先を越すのは難しいんだよ。埋め合わせはするから。
「ま、いいわ。キス1回で許してあげる」
 それはまったく罰にならないんだがな。少し屈んで軽く唇を触れあわせる浅いキスを交わすと、ハルナは大輪の花のような笑顔を俺に向けた。
 ヤバイ、可愛すぎる。思わずもう一度唇を奪おうとしたのに思わぬ邪魔が入った。

「あらハルナ、今日はこんなとこでデートしてるの?」
「ママ!?」
 ハルナそっくりの美人がそこにいた。
 って、ハルナの両親には何度も会っているのでよく知っている。その見れば見るほど姉妹にしか見えない若い母親の隣には、少しやる気のない顔をしている父親も当然一緒にいた。なんで当然かって?
「何よ、パパとママもデートなんじゃない」
「そうよ。せっかくの休日なんだもの!」
 胸を張って答える母親に、父親はやれやれと溜息をついている。こんな態度を取っているが、俺は知っている。この人がどれだけ自分の妻のことを愛しているのかを。だから休日に一緒にいないわけがない、ってことだ。
「まったく、いい加減いい歳になってきてるのに、いつまで経ってもラブラブなんだから」
 ハルナがニヤニヤと笑いながら母親をからかうが、さすがハルナの母親、そんなことでは動じない。
「あらそれは違うわよ! 歳を重ねるからラブラブになるの。それだけ一緒にいる時間が長いんだから、愛も深まるってもんでしょ!」
 そう言うと自分の夫に向かいハルナに負けないいい笑顔を向けた。
 俺はと言うと挨拶をするタイミングを完全に失って戸惑っているんだが。
「む~ あたしだって負けてないもん!」
 おいハルナ、そんなところで張り合ったって仕方ないんじゃないのか? だいたい自分の両親のバカップルぶりはいつも文句とともに俺に語ってるじゃないか。
「まあ、せいぜい頑張りなさい。あたしたちはあたしたちでデート楽しむから!」
 そう言って夫の腕に自分の腕を絡めて去ろうとする親を、ハルナは引き留めた。
「パパ! 今日は少し遅くなるけど怒らないでね!」
「ああ、わかった。別に怒らんが……」
 言いかけた父親にハルナは……

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 な、なに、なにやってんだ、お前は!!

「あーっ! こらハルナ! あたしの許可なくキョンにキスしちゃダメって言ってるでしょ!」
「別にいーでしょ、いつもママばっかりなんだからたまには」
「よくなーい!」
 ハルナは別にこんなことなんでもないと言う顔をしている。ふと目があった父親は、目で俺に「すまん」と謝っていた。
 いや、謝られても、って、いつもこんなことしてるんですか……。
 どうやら母親にとってハルナはライバルでもあるらしい。そして俺にとっては父親が最大のライバルになるんだな……。

 そしてその後、怒る母親をなだめる父親が結局深ーいキスをすることでようやく騒ぎは静まったのであった。公衆の面前で。いや、相変わらず凄い夫婦だな。
 しかし今気になるのはそんなことではない。
 ハルナの両親と別れた後、なんとなくモヤモヤした気持ちを隠しきれずにいる俺に、ハルナはクスクス笑いながら聞いてきた。
「もしかしてあんた、パパに妬いた?」
 くそ、もしかしてわかってやったのか。
「あーそうだよ、畜生」
 不機嫌に言う俺の前に回り込んだハルナは、そのまま顔を近付けると自分から唇を重ねてきた。
 さっき見たキスと同じくらいの深い、深いキス。
 どれくらいの時間そうしていたのか、いろんな意味でクラクラしている俺からようやく唇を離したハルナは少し頬を染めている。
「パパとのキスは挨拶よ。父娘だもん。でも……」
 その瞳はキラキラと輝いていた。
「あんたとのキスみたいにドキドキしないわ」
 それは反則だ、ハルナ。抱きしめるなって言う方が無理だ。

 いつかお前の両親みたいな夫婦になりたいな、ふとそんな考えが頭をよぎった、そんなデート日和だった。


  おしまい。マクレーン様すみませんすみませんすみません。