キョンがハルヒを脱がすSS 3rd Sequence ~あんたはあたしの召使い~
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先に言っておきます。

脚フェチですが何か?????

#ネタはGimma_Akito様提供ですが、脚フェチ部分は俺のネタwww
変態でサーセンw

 去年もやたらと暑かったが、それに輪をかけるように暑い日が続く7月……。
 って、この出だしで語り始めることが一度ならずあったような気がするのは何故だ? 気のせい……なのか、とにかくその記憶を捕まえようとするとするりと逃げてしまう、その感覚まで覚えがあるような……。
 いや、気のせいだよな。
 とにかく、相変わらず文芸部室はネットサーフィン中のハルヒ、読書中の長門、淹れてくださるお茶以上に潤いを与えてくださる朝比奈さん、そして意味なくゲームを続ける古泉に俺という光景が繰り広げられていた。
 ハルヒはしばらくマウスをカチカチ言わせながらモニタとにらめっこをしていたようだが、やがて飽きたのか長机の方までやってきて、俺たちが白から黒へ、また白へとひっくり返し合っているボードを覗き込んできた。

「いつもそうやってゲームやってるけど、面白いの?」
 面白いかと聞かれると悩むな。古泉がもう少し強ければ面白いかもしれんが。
「これは手厳しい」
 古泉は薄ら笑いを浮かべたまま、肩を竦めて────。

 まただ。不可解な違和感とも言うべき感覚がふと脳の表層を滑っていく。こうやってオセロの途中にハルヒが口を出してきたことに妙な既視感が────。
 いや、既視感があって当たり前か。かれこれ1年以上、俺は古泉とこの机に差し向かってあれこれゲームをやっていたんだからな。オセロだって何度やったかしれないし、その間にハルヒが話しかけてきたこともあったはずだ。
 そう、気のせいだ。
 そう思ったときには違和感も既視感も風に払われた塵同然に見えなくなっていた

 ハルヒは俺が違和感にとらわれている間にも何か言っていたが、やがて興味なさげに、俺の白星ばかりが並んでいる勝敗表を手に取った。
「なにこれ、ほとんどあんたが勝ってるじゃない。古泉くんがあんたに負けるとも思えないんだけど」
 何故か俺はぎくりとした。この後、ハルヒはSOS団オセロ大会をする、なんて言い出すんじゃないかと思ったからだ。何故そう思ったのかは自分でもわからん。
 その勘はある意味で当たっており、ある意味で間違っていた。ハルヒが勝負を言い出したことは間違いないのだが、それはSOS団全体の話じゃなかったからだ。
「じゃあ、あたしと勝負しなさい! あんたが勝ったら1日団長の権利をあげるわ!」
 何がそんなに得意なのか解らないというくらい得意の絶頂って表情をしながら俺に指を突きつけて宣言しやがった。
「いらん、そんなもん」
 言った瞬間、また頭の中を何かがよぎる。何だと言われても俺にもよく解らない違和感。しかしそれはまたすぐに消えた。
「問答無用! いいからあたしと勝負しなさい!」
 目を爛々と輝かせて満面に笑顔を咲かせて命令するハルヒを見ていると、逆らう気も失せるってもんだ。
「解った解った、勝負すりゃいいんだろうが」
「解ってるなら最初からそういいなさいよ。それとね」
 今度はニヤリと笑った。同じ笑顔でもころころと表情の変わるヤツだ。
「あんたが負けたら、今日1日あたしの召使いだからね!」
「それは今の雑用とどう違うんだ」
「あら、召使いなんだから……そうね、新川さんみたいな慇懃な態度で接してもらおうかしら?」
 なんですと? 新川さんが何者かってことはともかく、俺に新川さんみたいになれってか?
「そうよ、ちゃんと『お嬢様』と言ってもらわないとね」
 いや待て、誰がお嬢様だ誰が。これが朝比奈さん相手なら喜んで言わせて頂くところだが、相手はハルヒだ。お嬢様なんて柄じゃねえだろ!
「あんたが負けなければいいんじゃない。いいからさっさと始めるわよ!」
 その言葉を合図に古泉はあっさりハルヒに自分が座っていた席を明け渡した。お前もちょっとは抵抗しろよ。
「たまには観戦に回るのもいいでしょう。あなたと涼宮さんの勝負なら、面白いことになるかもしれません」
 何が面白いのかさっぱりわからんが、古泉に対してハルヒに反対することを期待するだけ間違っているのは確かだな。
「……やれやれ」
 俺はいつもの口癖をつぶやくと、新たな勝負を開始するべくコマを2枚、ボードの中央に置いた。

 さて、勝負の様子はもういいから結果からお伝えしよう。
 どういうわけかあまり負ける気はしなかったのだが、それは単なる気のせいだったらしく、俺はあっさりとハルヒに負けを喫したのであった。こいつは何をやらせても卒がないのだが、しかしことゲームに関してはコンピ研での対決のときや、野球大会のように戦略なんて薬にもしたくないような性格なのだから、そう強いわけではないと高をくくったのが悪かったのか。
「じゃあ、そういうわけだから、あんたは今日1日あたしの召使いだからね!」
 くそ、こんなことになるなら何が何でも反対しておけば良かったぜ。

「じゃあ、早速だけど自販機までジュース買いに行って頂戴」
「この暑いのに俺は外までパシるのかよ」
「こら、あんたは召使い! こう言うときは『かしこまりました、お嬢様』って言わなきゃダメじゃないの、解ってないわね」
 解ってないもなにも、俺は召使いの訓練なんか受けたわけでもなし、どうするりゃいいか解るわけないだろうが。
「ほらほら、早く言いなさいよ。ちゃんと跪いてね」
 ハルヒは新しいおもちゃを持ってきたとたんに取り上げてしまったガキ大将のような笑顔で俺に無体を強要する。くそ、パシリならいつものこと、と認めるのも悔しいが、それにしても何故こいつに跪いたりしなきゃならんのだ。
「オセロに負けたのはあんたでしょ」
 ……仕方ない、今日一日だけの我慢だ。
 俺はハルヒの前に膝を折り、苦し紛れの声を隠す気もなく言ってやった。
「……かしこまりました、お嬢様」
 くそ、ものすごい屈辱感だぜ。覚えてろよ。ニヤニヤ笑って見てるんじゃねえよ、古泉!
「う、わ、解ればいいのよ、早く行ってきなさい!」
 どういうわけか突然顔を赤らめると、焦った口調で俺を追い出しやがった。何だってんだ、いったい。

 その日の部活は終始そうやってハルヒに弄ばれ、ようやく長門がぱたんと本を閉じて帰宅時間となった。やっとこの召使いごっこから解放されるとホッとした俺に、団長様、いや、お嬢様はまたもや無理を申しつけて来やがる。
「キョン! ちゃんとあたしを家まで送っていきなさいよ!」
「はあ? 今までそんなことしたことないだろうが。もう召し使いごっこもお開きだろ?」
「あたしは今日一日、って言ったわよね。まだ今日は終わってないじゃないの!」
 くそ、こいつがこう言い出したら誰も止めないってのもいつものことだが、いい加減にしてくれよ! 召使いってよりは奴隷に近かったぞ、今日は。
「……かしこまりました」
 半ばやけくそで受諾する。さすがに24時まで付き合えとは言わないだろうから、家まで送れば俺も解放されるだろう。いい加減にしろと思いつつ流されてしまう自分の性格が恨めしい。

 いつも通り光陽園駅前でみんなと別れ、普段なら自転車置き場へ向かうところを今日はハルヒと二人並んで歩く。しかし召使いとはいえ、わざわざお送りなんぞして欲しいもんかね。パシリは便利だろうが、余り意味はないんじゃないのか?
 そんな疑問を抱えつつ程なくハルヒ宅に到着した。
「じゃあ、俺は帰るぞ」
「待ちなさいよ」
「まだ何かあるって言うのかよ」
 俺の問いかけを無視して玄関の鍵を開け、ドアを片手に振り返ったハルヒは、悪戯を思いついた笑顔そのものだった。嫌な予感がする。
「まだ今日は終わってない、って言ってるでしょ」
 おい、いい加減俺を解放してくれよ!
 なんて願いも空しく、ハルヒ宅に引きずり込まれてしまった俺であった……。

「ほら、キョン」
 何故俺は玄関に座ったハルヒから足蹴にされなければならないんだ?
「何言ってるのよ、あんたは召使いでしょ? さっさと靴を脱がせなさいよ」
「はあ?」
「ほら、早くお嬢様の靴を脱がせろって言ってるのよ」
 こ、こいつ、どこまで調子に乗る気なんだよ。さすがに腹が立ってきたぞ。
 何とかこの得意げな笑顔を消してやりたい、ちょっとそう思ったのも無理はないよな?
「かしこまりました、お嬢様」
 もう今日何度言ったか知れないセリフを口にして、玄関の三和土に跪くと、ハルヒの脚を支えて靴を脱がせてやった。
「ほら、これでいいか?」
「あ、ありがと。もう帰っていいわよ」
 心なしか顔が赤いのは気のせいじゃないよな。
 そんなハルヒの表情を見ていると、ちょっとからかってやれとか、それ以外のなにやら妙な気持ちがもやもやと沸いてきて、それが今日一日召使いという奴隷扱いだったストレスもあったのだろう、俺はまだハルヒの脚を放さないまま、
「いえ、まだでしょう、お嬢様」
 などと口に出してしまった。
「ちょっとキョン?」
 明らかに焦った表情のハルヒを見て溜飲の下がる思いだ。別に俺はお前の命令に背いちゃいないぜ? それでそんな顔をするのはおかしいんじゃないのか?
「靴下も脱がないと……暑いでしょう」
 夏だというのにニーソックスを履いているのだから暑いに違いない。
「靴下を脱ぐのもお手伝いさせて頂きましょう」
「い、いいわよ、そんなの」
 ハルヒは明らかに顔を赤らめた。
 そう言われるとますます靴下を脱がしてやりたくなるのはなんでだろうな?
 ハルヒの拒絶を無視して、俺は靴下に手をかけて下ろす。かかとに引っかかった靴下を外すと白い脚が露わになった。
 暑いって言うのにハルヒの脚は冷たく、衝動的に靴下を放した手ですっとなでる。
 ハルヒははっと息を飲んだが抵抗はせずにもじもじと顔を背けた。

 って、俺は何をやっているんだ!

「あ、い、いや、すまん」
 自分でも何を謝っているのか解らないまま、ハルヒの脚を放り出して、そのまま踵を返すと玄関から飛び出した。
 まだ心臓がばくばくいってやがる、てか何をした? 俺!
 何がしたかったんだよ!

 頭の中にハルヒの桜色に染まった頬や白い脚が鮮明によみがえり、目眩がしてくる。
 いや、これは目眩じゃなく────
 やがてすべては暗転し────


 ────reboot.