どうやって渡せばいいのよ?
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5/23はラブレターの日、ってことでリハビリかねて?書いてみた。
一応ギャグのつもり。かなり、酷いw

 昼休み、弁当を食い終わった俺が中庭の木の下で寝そべっていると、突然空から大量の紙が降ってきた。
「どわあああああ!?」
 なんだなんだ? なんで突然空から降ってきた紙に埋められてるんだ? い、息が出来ん!
「ぷっはあ! ふう、何とか首だけ出たか……死ぬかと思ったぜ。てか、たかが紙に埋まって、なんで身動き取れないんだ?」
「おや、そんなところでどうしました」
「なんでこういうタイミングで現れるんだお前は」
 古泉はこの非常識な状況に驚いた様子も見せず、いつものスマイルをたたえていた。
「いえ、もちろん驚いてますよ。あなたが中庭で紙に埋もれる趣味があるとは知らなかったものですから」
「そんな趣味あるわけねー!」
「ですよねー」
 わかってるのかよ!
「ところで、この封筒はいったいなんでしょう? おや、宛名はすべてあなたですね」
「つーか、封筒の宛名まで『キョン』かよ!」
「この字には見覚えがあります」
「認めたくはないが俺もそう思っていたところだ。それよりだな」
「なんでしょう」
「いつになったら助けてくれるつもりなんだ」
「ご自身で脱出することは不可能なんでしょうか」
「ああ、どういうワケか身動きが取れない。たかが紙切れなのに……」
「それは面白い」
「面白くねえ」
「これは失礼。あなたがこのような状況に置かれるのは珍しい物ですから、つい」
 つい、じゃねえ!
 気付くと、渡り廊下を歩く生徒が見てはいけない物を見た、という目をしてこちらをちらちら見ている。まるで見せ物じゃねえか!
「とにかく、早くなんとか脱出させr……」
「ちょっとちょっとちょっとーーー!」
 俺が言い終わる前に割り込んで来たのは、理由は知らんが朝から学校に来ているにもかかわらず教室に姿を現さなかったハルヒであった。
 いや、驚きはしない。こんなアホな状況を作り出すやつなんて、俺の知り合いにそう大勢いるわけがない。
 そのハルヒは普段は見ない慌てた顔で俺たちの方に駈け寄ってきた。
「ななななんで全部飛んで行っちゃうのよ! なんなのさっきの突風は!」
「意味がわからん。そんな強い風が吹いた覚えはないんだが」
 なんだ突風って。この手紙が全部突風で飛ばされたとでも言うのか? 不自然過ぎるだろ!
「それよりこれ全部お前が書いたのか?」
「うっ ち、ちが「そう」」
「って長門、いたのかよ!」
「こら、有希、言っちゃだめ!」
 言っちゃだめなんて言う時点で自らばらしているようなものである。
「まあいい、それよりこれはなんなんだ? こんなに大量の手紙を朝から書いてたんじゃないだろうな。全部俺宛って、まさか」
「ううううるさい!」
 罰ゲームじゃないんだろうな、と言おうとした俺は再びハルヒの大声に遮られる。何をそんなに焦ってるんだ。
「それよりこの状況を何とかしてくれ。俺は首から上以外身動きが取れん」
 俺宛なのに見るなってのも変な話だが、ハルヒがこう言い出した以上見ることは許されないのだろう。
「と、とにかくこれはもういいの! さっさと処分するわよ!」
「おい、処分するのはいいが、早くここから出してくれ」
 と言う俺の台詞はどうやらハルヒの耳には届いていないらしい。
「うーん、全部また部室に持って帰るのは大変よね。有希、何か燃やす物ある?」
「まてまてまて、校内火気厳禁だ! それと燃やす前に俺をこっから出せ!」
「火炎放射器なら」
 二人してシカトかよ!
「おい、そんなもんどこに持ってたんだ!」
「ちょうどいいわ、それ貸して!」
 ちょうど良くねえ! 貸してって、そんなもん扱えるのかよ!
「ちょっと待て止めろ落ち着け!」
 どこの世界に校内で人にめがけて火を噴く奴がいるんだ!
「ファイアーーーー!!!」
「うわああああああ!」



「あっれー!? ハルにゃんたち、なにしてるのかなっ!?」
「みくるちゃんに鶴屋さん! な、なんでもないの、ちょっとたき火を……」
「あっちーーーーー!」
「はわわわ、キョンくん大丈夫ですかあ?」
「あはは、面白いことやってるねー! でも、キョンくん燃えてるよ?」
「制服が燃える、燃えるって! 俺は制服萌えじゃねえ!」
「え? キョン? ……きゃああああ! キョン! 大丈夫!!?? 誰か、水! 水!」
「お前が火を付けたんだろうがーーーー!」


「大丈夫ですか?」
「ああ、お花畑の向こうでひいじいさんが呼んでる……」
「しかし、火器の使い方を涼宮さんに教えて正解でした」
「おい、使い方教えたのお前かよ! 『機関』は何を考えてんだ! どう考えたって失敗だろ!」
「立ち直りが早いですねー」
「立ち直らなきゃ話が進まん。で、結局あの封筒はなんだったんだ?」
「さて、推測も可能ですが、それよりそこに焼け残りがありますから現物を確認した方が早いかと」
 そういって古泉の指し示した足下を見ると、端の焦げた封筒が一枚落ちていた。
 俺は迷わずにそれを拾い上げた。ちらりとハルヒを見ると、封筒が全部燃えたと思って安心しているのか、朝比奈さんを弄って遊んでいる。長門、何か言いたげな目をしてこっちを見ないでくれ。
「……焼け残り」
 って、わざわざ口に出すんじゃない!
「え?」
 騒いでいたくせに、こういうときだけ地獄耳を発揮するハルヒは長門の言葉に俺を振り返った。
「あーっ! なんでまだ残ってるのよ!」
「焼け残ってたから拾っただけだ、っておい、なんだそれは!」
「このあたしから逃れられると思ったら大間違いよ!」
「その台詞はいろんな意味で使い方間違ってる! だからその火炎放射器をおろせ!」
「燃え尽きろーーー!!」
「ぎゃああああああ!」


「見事に真っ黒ですね」
「なんで俺ばかりがこんな目に遭わなきゃならんのだ!」
「ご無事で何よりです」
「全然無事じゃねえよ! で、結局あの封筒はなんだったんだよ」
「推して知るべしということでしょう」
「全然わからん」
「強いて言えば、あなたがお解りにならないことが、そのような目に遭われる理由ということでしょうね」
「俺が解ってないって言うんなら解るように言え! いちいちこんな目に遭わせるな!」
「そこを言わなくても解ってもらいたいのが涼宮さんのお気持ちなのでは」
「俺に超能力者になれってことか!?」
「そういうことではありませんよ。この分では僕の苦労もしばらくは続きそうですね……やれやれ」
「やれやれはこっちの台詞だー!」



いやあ、乙女心は複雑ですね、と古泉に言わせようとして失敗。