充電
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充電充電不足覚悟しろよ?過充電ショート

「キョン! ちょっと来なさい!!」
「おいっ! 何だよちょっと待て! ネクタイを引っ張るな!」

 今日も今日で、俺はいきなりネクタイを捕まれてハルヒに連行された。突然の大声にクラスメイトは注目するけど、俺たちを見て「ああ、またか」とでも言いたげな顔をして元に戻る、って所までがいつもの事になっちまった。
「またかよー」
「いってらっしゃい」
 谷口と国木田も慣れたもんで、半ば呆れたような笑顔で手なんか振ってやがる。
 俺自身も、もう慣れちまっている。それもどうかと思うけどな。でも3~4日に1度は連行されてりゃ、慣れるってもんだぜ。
 いい加減、ネクタイもよれよれだ。新しいのを買ったほうがいいかもしれない。


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「………ん…」
 くぐもった声を漏らし、名残惜しそうにハルヒは俺から唇を離した。ここでようやくネクタイを離し、腕を背中に回して抱きついてきた。俺も抱き返してやるが、文句も言ってやる。
「いい加減、他の方法で連れてきて欲しいもんだぜ」
「だって、恥ずかしいじゃない」

 例によって例のごとく、屋上に出る階段の踊り場だ。俺は数日に1度、ハルヒに強制連行され……まあ、こういう事になっているわけだ。そんなにくっつきたいならいっそ皆にばらして公認にしちまえばいいと思うんだが、ハルヒが許さない。許さないくせに、ハルヒが耐えられなくなると、ここに引っ張って来るようになっちまった。

「充電完了!」
 ハルヒは俺から離れて100Wの笑顔を向けると、さっさと教室に戻って行ってしまった。これもいつものことだ。
 相変わらず人の事を考えない奴だ。
 俺はもう少しだけ2人きりで居たかったんだがな。俺の充電はどうしてくれるんだよ。


 毎回充電不足で、そろそろ電池が切れそうだ。
 そうなったら、覚悟してろよ? ハルヒ。