憂鬱な殺人 おまけ
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あとがきにかえて、ハルヒ世界での「未来」ってどうなってるかなという考察を書いてみました。
あとがきなんか読みたくない、って方はこちらのオマケSSをどうぞ。
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俺は量子論についてド素人どころか、上っ面の隅っこをなめてみた程度の知識しかないです。
だから勘違い・間違い等山ほどあると思ってください。
それと、量子論を巨視系に適用させようとしているのではなく、考え方を借りているだけです。
ついでに言うならハルヒの世界に当てはまりそうな考え方を模索しているだけで、ただ単に俺の妄想でしかありません。
これが正しいんだなんてこれっぽっちも思っていませんのでご了承ください。

古泉が憂鬱で「人間原理」を言い出したときにすぐに思いついたのがコペンハーゲン解釈です。
全然違う話らしいのですが、「観測があるから結果がある」という考え方がそれっぽいなぁと思ったので、人間原理とは最初コペンハーゲン解釈の上に成り立っている理論だと思いこんだほどですw
もっとも調べていると古泉の言う人間原理って一般的に言われている内容と違うっぽいのですがまあおいておきましょう。

コペンハーゲン解釈とは、もう乱暴におおざっぱに言ってしまうと、電子は波って状態と粒子って状態を同時に持っていて、「観測」されるまでは波でいるけど「観測」された瞬間に粒子になるんだよって解釈です。観測されなければずっと粒子と波の重ね合わせって状態です。
ええ、何を言っているのか分からないかもしれませんね。俺もわかりませんw
これには対抗馬があります。
エヴェレット解釈です。
エヴェレット解釈とは、「観測」したから粒子になるんじゃないんだよ、たまたま俺は「観測」したときにそこで粒子として観測された電子の世界にいるだけで、やっぱり観測されていない世界や別の場所に粒子として存在した世界も同時に存在するんだよってな解釈です。
しかし俺がいるのは今ある観測結果が出た世界だから他の世界のことは知らねーよ、ということです。
ええ、もっとワケがわかりません。俺も(ry

が、エヴェレット解釈が「多世界」を定義していることにはお気づきになれるかと思います。
ところで量子論的な解釈はもっとたくさんありまして、コペンハーゲンもエヴェレットも説としては古いんじゃないかとの話もあるのですが俺はよく分からないので置いておきます。

こっから先は相補性も不確定性原理もシュレディンガー方程式も無視して語りますw

この「重ね合わせ」「多世界」という解釈を、少なくとも憂鬱な殺人を書くときに考え方だけ借りました。
その上で、「多世界」は捨てました。
理由は書くと長くなるので割愛します。
残るは「重ね合わせ」です。
基本的に一つの時間軸にいくつもの世界が「重なって」存在しているのではないかと考えました。
どう重なってるかまではイメージできておりませんがwww
そう考えるとみくると藤原がいる未来は別物であり、同時に重なって存在もしている。
その上で「規定事項」を考えます。
コペンハーゲン解釈では、観測した瞬間に「波動関数の収縮」が起こり、電子は粒子として観測されるということがよく言われます。
てなわけで無理矢理当てはめてみました。
「規定事項をクリアすることによって、時間平面の収縮が起こる」
これは既定かどうかという点に重きを置かないので規定という字を当てはめましたが。
例えば「朝比奈みくるの憂鬱」でキョンがハカセ君を助けた瞬間、同時に存在していた「ハカセ君のいない未来」と「ハカセ君のいる未来」は「ハカセ君のいる未来」に収縮した。
こう考えると未来人が手出ししないと規定事項がクリアできないということも頷けます。
キョンが何もしなければ「収縮」が起こらないわけだから。
#もちろん過去人が無意識に「規定事項」をこなしている可能性はありますね。

じゃあそのまま放置すればいいんじゃ? とも思いますが、ある未来人勢力がこうやって規定事項をクリアしていって時間平面を収縮させ続ければ、重なり合っている別の時間平面にいる未来人は消えてしまう可能性があるので放置できない問題になってしまいます。
それで未来人同士の抗争が勃発するのではないかと。

これは多世界解釈と同じじゃないかと思われるかもしれませんが、根本的な違いは多世界解釈に「規定事項」があったとすると、それはむしろ多世界に分岐させるためのものだとうことです。
反対に「収縮」すると考えると未来人としては捨て置けないかなと。
まあ妄想でしかありませんがw

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ところで、キョンが過去から帰ってきたときには事件は起こっておらず、従ってその時間軸のキョンは過去に行っていない。てことはキョンは戻ってきた時点で二人になってしまうんじゃ?
というSFでよく使われるパラドックスをサラッと無視しているんですが、気付いた方はいるでしょうかw
この理由はちょっと無理があるのですが、基本的には質量保存則が時間平面上で成り立っているだろうと仮定しました。
だから改変前の時間平面にキョンがいなければ、改変後の時間平面もキョンがいないまま構築されるだろうと。
あくまでも質量的に保存されているかどうかなので、死体であろうが骨と土と二酸化炭素と水になっていようが、キョンがその時間平面にいれば再構築は可能という設定です。
タイムパラドックスは、その時間平面上に存在する物質のみに起こりうるということですね。
これは「時間平面」というデジタルな時間の流れだから仮定できるわけで、アナログ的に時間が流れていると考えると無理があります。

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それにしても、九曜は何がしたかったんでしょうねw
禁則事項ですw
セリフにヒントを込めたつもりですが足りてはいませんね。
というか、これの答えは単純すぎて書くのも恥ずかしいので伏せておきますw

長々と書きましたが、何度も言いますがすべて俺の妄想です。
間違ってるだろうし、異論反論あるでしょうから、一つの考え方として受け取ってください。
だいたいハルヒ世界がどうなっているかなんて、結局谷川先生しか答えを持っていないんだから。


(6章最後から、事件があったはずの日のキョンにバトンタッチ)

「何なんだよ、一体!」
 朝比奈さんと『俺』は、あわただしく元の時間に帰ってしまったらしい。
「何だってまた、わざわざ俺が俺に会いに来るんだ?」
 あいつにとって、規定事項だったのか? いや、『俺』は規定事項ではないようなことを言っていた。規定事項じゃないのに俺に何かさせるって、そんなことをしていいのか?
 しかし、朝比奈さんが何も言わなかったところを見ると、それでいいのだろう。
 何か釈然としないが。
「長門」
 俺はいつもの席で本を広げている長門に声をかけた。
「お前は何が起こったのか知っているのか?」
「知らない」
「長門にも何も言わなかったのか」
「ない。おそらく、禁則事項」
 長門は本から顔も上げずに答えた。
 まったく、この単語はある意味最終兵器だ。リーサルウエポンだ。それ以上は何も聞けなくなる。
「やれやれ」
 俺は今日何度目かになる口癖を呟くと、教室に戻ることにした。
 まだ弁当を食っていないんだよ。腹が減った。


 午後の授業はまったく身が入らなかった。いつものこととか言うなよ。いつも以上だ。俺は夜の十一時という非常識な時間にハルヒの家に行かなければならず、それは俺がわざわざ時間遡行をしてまで俺に頼まなければならないほど重要案件らしい。
 朝比奈さんも関わっているとなれば、それを遂行しなければかなりまずいことになってしまうのは目に見えている。
 しかし、なぜ『俺』なのか。なぜ朝比奈さん(大)が現れないのか。
 時間移動が関わっていることがらで、朝比奈さん(大)が関与していないことなど1度もなかった。何かがおかしい。
 まさか『俺』の偽物ってことはないだろうが。
 あれが未来の俺だとすると、俺にもそのうち分かるってことか。今は悩んでも仕方がねーよな。

 だが、いきなり夜中に近い時間にハルヒの家に行けだと?
 ハルヒになんて言えばいいんだ。第一、ハルヒの親がなんて思うか。

 俺はこの使命をどう果たすか、思い悩んでいた。
 ええい、もうなるようになれ。

 とりあえず、俺はその日の放課後、ハルヒに一緒に晩飯を食ってくれるようにお願いしてみた。
「いいわよ。どうせ今日、親がいないし。な、何なら家に来る? あたしが作るわよ」
 な、なんと! ハルヒの家に行くという第一関門をあっさりクリアしてしまった!
 しかも、今日は親がいないということだ。
 もしかして、これを知っていたのか? 『俺』は。

 とにもかくにも、俺は『俺』との約束を果たせそうではある。
 まだ気は緩められないが、少し肩の荷が下りたような気分になった。
 しかし、ハルヒの家に行って、一体何があるんだろうね。

 このとき、俺は『俺』の言ったことばかりを気にしていて、「親のいない」女子の家に「夜に行く」という行為が、世間一般でどう捉えられるかなんて考えている余裕はなかった。


 いつものSOS団の活動が終わり、俺はそのままハルヒの夕飯の買い物に付き合わされた。いやいや、もちろん俺のために夕飯を作ってくれると言うのだから、荷物持ちくらいはありがたくさせてもらうつもりだ……って、財布も俺かよ!
「当たり前でしょ!」
 ハルヒはテンションが高いくせに、どこか妙なそぶりだ。晩御飯のメニューは何にする? なんて上機嫌に聞いてきたかと思えば、何故か突然黙ってチラリと俺の顔を見たりする。なんかおかしいな。やっぱり『俺』が言ったことと何か関係があるのか? と思っていた俺はかなりのアホだ。


 夕飯のことを細かく描写するつもりはない。ハルヒの料理の腕が一流シェフ並と俺が思っているのは、今更ここに書く必要もないくらいだろう。初めてハルヒの作った料理を食ったのは、去年のクリスマスだったか? とにかく、飯はとても旨かったし、ハルヒは相変わらず健啖家だった。夕飯の間は、ハルヒは先ほどまで見せていた妙なそぶりを見せず、誰がこんなに食うんだと思ったほどの量の飯をぺろりと平らげていた。

 夕飯の後、後かたづけを申し出た俺をどうしたことかあっさり断り、1人で洗い物をしているハルヒを眺めながら、さて、まだ11時までには時間がありすぎるな、と考えていた。どうするかね。
 それより、後かたづけなんて雑用こそ俺にやらせるべき何じゃないのか? 自分で言って少し悲しくもなるが。
「気をつけないと洗い方で痛む食器もあるのよ。うちの親、そういうのうるさいから」
 そうなのか。なら仕方がない。俺には分からないルールがあるのだろう。
「そのうち教えてあげるわよ」
 そのうち俺にやらせるってことか。まあ仕方がない。飯は作ってもらったんだしな。
 時計の針は9時を回っていた。普通ならもう遅いから帰る、と言うべき時間である。しかし、今日は帰るわけにもいかない。
 まったく、恨むぞ、『俺』。こんな非常識な時間に何をしろって言うんだ。

 ハルヒは片づけが終わるとわざわざコーヒーを入れてくれた。今日は何だか至れり尽くせりのような気がして妙な気分だ。気を遣ってもらう方が居心地が悪い、というのもどうかと思うのだが、ハルヒと俺の関係は結局団長と団員その1という立場から抜け出せてはいないわけで、ここまでハルヒにさせるのが悪い、と思ってしまう。奴隷体質でも身についてしまったのだろうか。それは嫌なんだが。

「今日はどうしたのよ」
 コーヒーを持って居間に場所を移すと、突然ハルヒがそんなことを言ってきた。
「どうしたって?」
 そんなに俺は変だったか?
「あんたから食事に行こうなんて誘うのは初めてじゃないの。熱でもあるのかと思ったわ」
 ずいぶんな言い草ではあるが、確かに俺から誘ったのは初めてだった。いつも俺が何か言うまでもなくハルヒに引きずられていたわけで、俺から誘う必要性を感じていなかった。
 しかし、この質問の答えを持ち合わせていない。まさか未来から『俺』が来て、今日の夜はハルヒの家にいろと言った、なんて言えるわけもないし、言ったところで頭がおかしくなったと冷めた目で言われるのがオチだ。そういうことが本当にあればいいと思っている癖に。
「まあ、その、俺がお前と一緒にいたかっただけだ」
 って俺、何言ってんだよ。
 何を言うか考えつかないまま口に任せて言い訳をするとろくな言葉が出ない。
 いや、まあ、本音でもあるんだが。

「あんたはさ、全然変わらないわよね」
 俺の発言をどう思ったのか、ハルヒはコーヒーカップに向かって語り始めた。
 変わらない? 何が?
「……と思ってたんだけど。そうかと思えば今日はいきなり食事に行こうなんて言うし」
 確かにいきなりだったかもな。悪かった。
「何で謝るのよ! あ、あたしが嬉しくなかったとでも思ってるの!?」
「え?」
 突然怒り出したハルヒに俺はただ戸惑った。それにしても、嬉しいって怒る奴ってなかなかいないぞ。
「あの時あんたが好きだって言ってくれて! あたしがどれだけ嬉しかったかわかる? 自分でもとんだ精神病だって分かってるわよ! でも嬉しいんだから仕方ないじゃないの! ただ食事に行こうって言われるだけでも嬉しいんだから!」
 ハルヒはいきなり怒り出したそのテンションのまま、コーヒーカップに向かって言葉を続けた。俺はといえばなぜハルヒがこんなことを言い出したのかさっぱり分からず、おろおろするばかりだった。
「それなのにあんたは、あ、あたしと一緒にいたいなんて急に言うから! あれ以来好きとかそういう言葉も言わなかった癖に!」

 ……確かにその通りだ。俺は一応自分からハルヒに告白したわけだが、その後の関係は特に変わらなかったと言っていい。ハルヒはどうやらそれに不満を抱いていたらしい。
 正直に言おう。どうしていいか分からなかった。
 俺は普遍的な男子高校生だという自信はあるわけで、彼女が出来たらなんて妄想をしたことがなかったなんて言わない。だが、まさか相手がハルヒになるとは思っていなかったので、はたしてハルヒ相手にそういう普遍的なお付き合いで済ましていいのだろうか、とういう疑問が常々俺の中にあったのも事実だ。
 恥ずかしい告白ついでにこっそり言ってしまうが、正直言って俺だって抱きしめたりキスしたりしたい。だけどな……。
「ときどき、本当にときどきだけど、あんたに取ってあたしが何なのか分からなくなることがあるのよ」
 そう言うとハルヒはコーヒーカップからすら視線をそらした。俺からはハルヒの後頭部しか見えないので、どんな表情をしているかは分からない。
 しかし、だ。俺は1つハルヒに言いたいことがあるぞ。

「あのな。お前はそう言うけどな、俺はハルヒから俺のことが好きだなんて一言も聞いたことがないぞ」
「うっ……」
 ハルヒは俺のセリフに言葉を詰まらせた。
 そう、実はそうなのだ。確かにハルヒは俺の告白を受け入れてくれたとは思っているのだが、それにしてもハルヒは俺に好きだとかそういうことを1度も言ったことがない。俺から言わせるのも何となく癪に障ると言うのもあって、俺からは聞いたことがない。
 多少、俺にも意地があった。ハルヒがはっきり言ってくれるまでは、なんて周りから見ればバカバカしいであろう枷を自分にはめていた。

 ……本当にバカバカしい。
 ハルヒは今なんて言った?
 俺がハルヒを好きだと言ったこと、ただ飯を食いに行こうと誘ったこと、一緒にいたいと言ったこと。それ全部を「嬉しい」と言ったじゃないか。そう言ってくれたじゃないか。
 それで充分だろ?
「ハルヒ」
 俺は顔を背けたままのハルヒに声をかけた。
「俺はハルヒが好きだよ」
 まだこういうことを言うのは少し照れくさい。だが、こう言われて嬉しいと言ってくれるなら、何度でも言ってやるさ、今はそういう気分なんだ。
「もう……あんたは! 何で人が決意したのに先に言うのよ!」
 決意って何だよ。先に言うって、後も先もねーだろ。俺が言いたいから言っただけだ。
「うるさい! もう! あたしだって……!」
 そこで言葉を切ったハルヒは、振り返って俺を正面から見つめた。

「あたしだってキョンのことが好きなn……」

 ヤバイ。ハルヒの言葉を聞いた瞬間、俺の中で何かが壊れた。

 それまで俺はただハルヒが可愛くて、変な下心なくハルヒと接することができた。だが、まさか「好き」の一言がここまで破壊力を持っているとは思わなかった。
 ハルヒが俺のことを好きだと言ってくれた、ただそれだけで、俺はただ1つの感情に支配されてしまった。

 愛おしい。

 自分の中がその気持ちで埋め尽くされ、心臓さえつかみとられたように痛む。

 触れたい。
 抱きしめたい。
 キスをしたい。

 ただその衝動にのみ突き動かされ、俺はハルヒの唇を奪っていた。
 夢中でむさぼるようなキスだった。
 濃厚なキスは新たな衝動を産み、俺はそれを抑える術を知らない。

「ハルヒ、好きだ……」
 唇を離すと耳元で囁いて、そのまま柔らかな耳朶を甘噛する。

「ちょ、ちょっと、キョン! ま、待ちなさいよ、ちょっと!」

 焦ったハルヒの声で俺は正気に戻った。
 て、俺何やってるんだよ!
「す、すまん……」
 気がつくと、俺はソファにハルヒを押し倒していた。ここまで理性を失うとはね。自分で自分を押さえられなくなるとは。
 慌てて身を起こし、言い訳の言葉を探してみる。
「いや、その……」
 って、言い訳なんか見付からねえ! 真っ赤になっているハルヒを直視できなくなって、俺は視線をそらした。
「ほんとにすまん。理性がどっかに飛んでいってたらしい」
 言い訳のしようがないので正直に言う。だからと言って、いくら何でもいきなりすぎるだろ、俺。
「もう、いきなり何するのよ、エロキョン」
 やっぱりエロキョン扱いか。いや、もう否定できません。ほんとすみません。
「あたしだって、その、心の準備ってもんがあるんだから……」
 準備が出来ればいいのか、と一瞬思ってしまった。若いんだよ、俺も。
 しかし、ハルヒは怒っているような顔はしていないので少し安心する。一生許さない、と言われても仕方がない行為をしたんだ、俺は。
「本当に謝るしかない。すまん」
 重ねて俺は謝った。ここで嫌われたくはない。こんなことで嫌われたら、俺は多分一生立ち直れない。
「べ、別にいいわよ、もう……」
 ハルヒは相変わらずリンゴのような顔をして、あさっての方向を見たまま言った。これで許されたと思えるほどこの団長様は甘くはない、そう思ったのだが。
「その、あたしだって、嫌じゃ……ないわよ。だけど……」
 そのうち湯気が立つんじゃないかと思うほど真っ赤なハルヒは、再び俺の理性を吹っ飛ばすようなことをのたまった。

「ここじゃなくて、あたしの部屋で……」

 俺の理性は遙かクエーサーのあたりまで飛ばされ、しばらくの間は戻ってくることができがなかった。
 だいたい、こんなことを言われてもう一度抱きしめずにいられる奴なんているか? 俺には無理だ。
「その、多分、俺はもう止められそうにないけど、いいのか?」
「いちいち確認するなぁ! バカキョン!!」
 さっき確認しなくて怒ったのはお前だろ、おい。


 その後のことはご想像にまかせる。俺は誰にも言う気はない。
 ただ、俺はどうしようもないほどハルヒに惚れているらしい、と確認してしまっただけだ。


 しかし、未来から来た『俺』が俺に何をさせようとしたのかは、依然として謎のままであった……。正直言って、11時から11時半なんて時間指定も理性と一緒に頭から吹っ飛んでいた。

 って、まさか『俺』が俺にさせたかったことって……このことじゃないだろうな!!!


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 …………。

 この1週間、俺はまったく別の時空にいたことになっているので、以上のことは後から長門から受け取った記憶の一部だ。
 この俺は消えてしまったのか、それとも俺と融合のような形になったのかは分からない。
 俺にとって重要なのはそんなことじゃない。


 果たして、今のこの俺は、これらの経験をしたことになるのか? ならないのか?

 ただ、それだけが疑問だ……。



    おしまい



ご精読ありがとうございました。

元の話と変わってしまった気がする。
最後のキョンの悩みは早い話が「俺、童貞?」ってことだwwwww
この「憂鬱な」殺人事件で、キョンが一番憂鬱になったのはこれだったりしてw いや、それはないかwww
本編で書ききれなかったのですが、1章でハルヒが抱きついたり、エピローグでキョンがハルヒを抱き寄せたりというのは、この2人の関係からするとかなり画期的(?)な出来事、というつもりでした。まったく描写できなかったorz
2章辺りでキョンがハルヒについて「人の気も知らないで」というようなことを言っていたのは、こういう理由でもあったりします。その辺の描写は本編からするとどうでも良かったのであえて削りましたが。
ハルヒサイド