天体観測 冬キャンプと流星編
短編 | 編集

注) 先にうpした「天体観測 月と火星編」とは、何の関係もありません

同じテーマで違うSS書いただけ。
最初の天体観測をハルヒスレに投下した後、こんな会話がなされたわけだ↓
574が俺。
【涼宮ハルヒの憂鬱】涼宮ハルヒを語れ その80 より
570 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2008/02/17(日) 00:14:53 ID:bBWacq1V
寒空の下で火を焚いてコーヒー沸かしながら流れ星を眺めるSOS団が見えた。

574 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2008/02/17(日) 00:31:19 ID:01p8cX9w
>>570
冬キャンプ状態だな。テントは2張りで、なぜか男女ではなくハルキョンと他3名で別れているわけだwww
1枚の防寒毛布に2人でくるまってコーヒー飲んでるハルキョンを幻視した。

577 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2008/02/17(日) 00:50:10 ID:YyrscHGD
>>574
GJ。
さぁ次回作の「冬キャンプで1枚の防寒毛布に2人でくるまってコーヒー飲むハルキョンSS」の執筆に戻るんだ

580 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2008/02/17(日) 00:58:42 ID:bBWacq1V
毛布の中で朝比奈さんと長門を侍らせて両手に華の古泉
別の毛布で隣にいるハルヒの小言を聞き流してそんな古泉を歯軋りしながら羨ましがるキョン


 まったく便利な世の中になったもんだ。ほとんど手ぶらでもアウトドアが楽しめるようになっていたとはね。俺だってたまにはキャンプやバーベキューなんかを楽しむのもやぶさかではない。
 ただし、夏ならばな。
 今は12月。ただでさえ冬も本番を迎えつつある季節なのに、わざわざ住宅よりはるかに防寒性の低い布でこしらえた仮住まいに寝るために寒い山までやって来るような趣味はなかったのだが。

「ふたご座流星群を見に行くわよ!」

 そんなハルヒの一声により急遽決定した冬山キャンプは、例の古泉の怪しい「知り合い」によってあっさり実現された。相変わらず手回しが良すぎるぞ、古泉。
 誰もキャンプ道具なんか持っちゃいなかったのだが、最近のキャンプ場はテントから調理道具に至るまですべて貸し出してくれるので、本気で手ぶらでキャンプも出来る。便利になったが、アウトドアの楽しみは減るのかもしれない。
 俺にとっては冬は家で布団にくるまっている方がいいに決まっているので、どっちにしても関係ないがな。

 しかし、寒い。流星群の極大予報は深夜なので、相当寒さをこらえなければならないようだ。
 目の前の焚き火台には橙色の炎が揺らめいているのだが、背中には容赦なく冷気が襲いかかってくる。一応ダウンジャケットを着ているのだが、山の上、しかも夜中となると暖をとるには足らなかったらしい。
 俺は自分のリュックを引き寄せると、中から防寒用毛布をとりだした。よく災害用として売られているやつだが、実は結構暖かい。
 俺が毛布にくるまると、やはりというか、団長からクレームが飛んできた。
「ちょっと、何1人でそんなもんにくるまってるのよ! 気合いが足りないわよ、気合いが!」
 うるせえ、気合いでなんとかなるくらいならとっくに何とかしてるぜ。俺は寒いのが苦手なんだよ。どうせキャンプに来るなら夏が良かった。
「あ、やっぱり寒いですよね。コーヒー入れましたよ」
 さっきからパーコレーターとにらめっこしていた朝比奈さんが、そう言って暖かそうなカップを差し出してくれた。うん、その笑顔だけで寒さも和らいだ気になりますよ。
「ほら、みくるちゃんだって寒いのにちゃんと働いてるのよ。それなのにあんたは何なのよ!」
 何なのよって、荷物運びからテントの設営までやらされたのは俺なんだがな。まあ、料理は作ってもらったから感謝はしているが。
「文句言わない! 寒いのはみんな一緒なんだから、半分よこしなさい」
 は? 半分? と疑問に思っている間に、ハルヒは俺の毛布を引っ張ると、無理矢理身体を割り込ませてきた。1枚の毛布に2人でくるまる形になる。
 おい、狭いってか近い! 何考えてんだよお前は!
「うるさいわね、1人で暖まろうったってそうは行かないわよ!」
「これはこれは。……そうですね、僕はそろそろ休ませてもらおうかと思っていたところなんですが」
 ちょっと待て副団長。今日の目的を忘れたのか。
「実は昨日、夜中まで知り合いに引っ張り回されましてね。ちょっと辛いんですよ」
 高校生を夜中まで引っ張り回すってどんな怪しい知り合いだよ。って、こいつには怪しい知り合いが佃煮にするほどいるんだっけな。
「あら、しょうがないわね。じゃ、UFOが現れたら起こすから、それまで寝てていいわよ」
「おい、UFOってなんだよ。流星群を見に来たんじゃないのか」
「流星群に紛れて宇宙人がやって来るに決まってるじゃない。宇宙人からしたら大チャンスよ!」
 最初から目的はそれかよ。
「あの……わたしもちょっと眠たいかなって……」
 なぜか遠慮がちに朝比奈さんが言った。いや、ちょっと待って下さいよ。
「そう、じゃ、みんな寝ていいわよ」
 そうか、じゃあ俺も寝かせて貰うよ。
「あんたはダメ! UFO見つけるまで起きてなさい!」
 なぜそうなる。

 ってちょっと待て。何で古泉が入ったテントに朝比奈さんと長門も入っていくんだ。おかしいだろうが。テントが二張りあるなら、人数的にも男女で別れるのが普通じゃないのか? おい。古泉、何かあったら承知しないからな。何でお前が両手に花状態で寝るんだよ。後で覚えてろよ。
「ごちゃごちゃ言ってないで真面目に探しなさい!」
 真面目に探したってUFO何か見付かるわけねえだろ! そんなもん探すなら、年に1度あると分かっている天体ショーを眺めていた方がいいってもんだ。
「あんた、それでもSOS団の一員なの!」
 うるさい、耳元で叫ぶな。こんだけ近いんだから小声でも充分聞こえる。くそ、隣にいるハルヒの体温が直に感じられるのがいまいましい。
 俺はハルヒの小言を聞き流して、コーヒーを啜った。なんとなくハルヒを直視出来ない。何だってこんなことになってるんだ。
 出来るだけ意識しないように、俺は薪を一本焚き火に放り込んだ。ぱちぱちと音を立てて燃える薪をなんとなく眺めているうちに、左肩に突然重みを感じた。
 何だ? と思ってハルヒを見ると、俺に寄りかかって寝息を立ててやがる。おい、UFOを見つけるんじゃなかったのかよ。昼間にはしゃぎすぎたな、こいつは。
 相変わらず寝顔はさまになっていて、思わずしげしげと眺めてしまった。整った顔立ち、長い睫毛。まったく、口さえ開かなきゃ可愛いのにな。いや、口を開いて俺を引っ張り回すのがハルヒか……って、俺は何を考えているんだ。
 何か変なことを考えてしまったような気になって、思わず目を反らす。そういや俺はUFOを探さなくちゃならないんだっけな。

 あらためて夜空を見上げると、2筋ほどの光が流れたのが目に入った。
 気のせいか? と思ったが、しばらくするとまたすっと1筋の光が流れる。間違いない、どうやら流星を見ることが出来たらしい。
 咄嗟にハルヒを起こそうとして、その手を止めた。こいつも疲れてるだろう。UFOを見つける役目は俺になったらしいしな。
 左肩にかかっている重みが心地よく感じたとか、そんなことは決してない。
 もう少しこのままでいいか、何てトチ狂ったことを思ってしまったのは、きっと冬の夜空が綺麗だったからに決まっている。
 UFOが見つかったら起こしてやるさ。
 だから、もうしばらくは出てこなくていいぞ、UFOに乗ってやって来るらしい宇宙人とやらは。