「遅刻! 罰金!」
短編 | 編集

ハルヒはこの状況では「遅刻」ではなく「遅い」と言う方が多いと思いますが、タイトルとしては据わりが悪いというか落ち着かないというかw ってことで「遅刻」になってます。

 人に金を出してもらって食事をしているときに、その料理の味について否定的な意見を言うのは失礼だ、などと考えるのはごく一般の控えめな人間であって、少なくとも今俺の目の前で俺の金(になるはずだ)で飯を食っているハルヒには当てはまらない。ハルヒは言葉を選ぶこともせず、口に運ぶ料理についていちいち文句を垂れてやがる。
「何よこれ! ちゃんと保温してるのかしら? 肉は冷めて硬くなってるし、魚は味付けしてないんじゃない? チーズはぱさぱさしてるし、野菜はみんなしなびてるわよ! 食べ放題だからって手を抜いてるんじゃない!?」
 正直料理に対する意見は同意することやぶさかないのであるが、そう大声でまくし立てるなよ。店員が気まずそうにこっち見てるじゃないか。それにな。
「おいハルヒ。文句言う割にその山盛りの料理を持ってきたのはもう4回目じゃないのか? 文句言いながら食べなきゃならんものを何だってそんなに持ってくるんだよ」
 ハルヒは傲然と胸をはって俺を睨んだ。
「あら、質が取れないんじゃ量を取るしかないでしょ!」
 質より量ってことかよ。じゃあ最初から文句を言うな。第一、お前は質が良くても量を取るだろうが。

 さて、今日は日曜日、SOS団の不思議探索も休みの日で、俺としてはまさに鬼の居ぬ間に洗濯でもしたいところであった。
 天気もいいし、いい加減くたびれてきた服を買い換えたいのもあったので、一人街へと出かけてしまったのが運の尽きだった。俺は洗濯どころか、鬼そのものに見つかっちまったと言うわけだ。なんたる偶然。いや、偶然を必然に変えることが出来るのがこの鬼の特徴なんだが……偶然だよな。まさか俺に会ったら奢らせようなんてハナから考えていた訳じゃないよな。
 その鬼、つまりハルヒは俺を見つけるとその目に銀河1個分の輝きを増して近づいて来るなり、俺の意見も聞かずに言い出すには、
「ちょうどよかったわ! お昼食べに行くわよ!」
 というわけだ。何がちょうどよかっただ、都合のいい財布でも見つかったと思ったのかよ。と言いつつ付きあっちまう俺はどんだけお人好しなんだよ。

 そう言うわけで冒頭に戻る。昼飯は最近出来たバイキングの店とかで、ハルヒ自身が言い出したことだ。だから俺には責任がない。俺に文句を言われても仕方がないだろ。
「分かってるわよそんなこと。でもせっかく来たのにこれじゃがっかりじゃないの」
「どうせ俺の奢りなんだから文句言わずに食え」
 俺がそう言うと、ハルヒは目を見張った。こんなにきょとんとしているハルヒもめずらしい。
「奢り? あんたの? いつそんなこと言ったっけ?」
 違うのか? だとしたら甚だしく意外だ。だいたい俺を見たとたんに「ちょうどいいから」昼飯を食いに行こうと言ったのはハルヒだろ。俺に奢らせるためにそう言ったんじゃないのか?
「ちょうどいいって言ったのは、あんたと……じゃなくて、1人で食べるのはつまんないと思ってたところにあんたが来たからよ」
 ほう、純粋にそう思っただけだったのか。てっきりちょうどいい財布が来たと思われたんだとばかり思ってたね。
「あんた、あたしを何だと思ってるのよ」
 何だと言われましてもね。いつも不思議探索のときに遅刻もしていないのに俺に奢らせるSOS団団長様だと思ってますよ。
「あれはあんたが何度言っても最後に来るからでしょ! ちゃんと早めに来ていれば奢らせることなんかないわよ!」
 ちょっと待て。いつぞやの2人で行った探索のときは、お前の方が遅かったのに財布を忘れたとかいうふざけた理由で俺の奢りになったし、俺が一番乗りだったときには、他の人間が同着だったという理由で割り勘になったじゃねえかよ。早めに行ったって奢られたことなんかねえぞ。
「それは……たまたまそうだっただけで……」
 めずらしく勢いを失ってぼそぼそと反論するハルヒに、俺はここぞとばかりにたたみかけた。
「今度俺が最後じゃなかったら、ちゃんとルール通りにやってもらうぞ。もちろんお前が最後だったらお前の奢りだ」
 そう言う俺をキッと睨み付けて、ハルヒは応じた。
「いいわよ、受けて立とうじゃないの!」
 それだけ言うと伝票を俺に押しつけてさっさと店を出やがった。
 結局俺の奢りじゃねーかよ!


「……嘘だろ?」
 土曜日、例の奢りルールの徹底を団長に要求してから初めての不思議探索の日であった。
 俺はもちろん前日から気合いを入れ、目覚ましを3個用意し、携帯の目覚ましもセット出来るだけセットして臨んだにもかかわらず……目を覚ましたのはいつもの時間であった。目覚ましはすべて止まっており、携帯は電池が切れている。充電したばかりだし、目覚ましだって3個同時に止まるなんてことはねーだろ、普通!
「……ありかよ。そこまでして俺に奢らせたいのか?」
 こんなのルール違反だ、無効だと叫びたい。明らかに偶然が重なったとは言えないくらいの偶然である。絶対これは犯人が居るに違いない。
 だが、その犯人を名指しすることが出来ないってこった。結局泣き寝入りかよ。

「やーっぱりあんたが最後じゃないの」
 勝ち誇った笑みを浮かべ腕組みをしたハルヒはやけに嬉しそうだ。俺は朝の時点で諦めているさ。もうどうにでもしてくれ。ただ、やはり確認はしておきたい。
「長門」
 喫茶店への移動中、俺は小声で声をかけた。
「今朝、何かハルヒの力が使われたってことはあるか?」
「わずかな情報改変が行われた形跡がある」
「俺の家か?」
「そう」
 やっぱりお前か、ハルヒ。
「どうかなさいましたか?」
 眉間に皺をよせて溜息をついた俺に、今度はニヤケ面が聞いてきた。
「機会があったら後で話す」
 古泉ならハルヒへの対抗策を考えてくれるかもしれない。今日は諦めたが、俺はまだこれからのことまで諦めちゃいねえんだ。

 さて、今度は偶然か、俺と古泉の会話を聞いていた長門が何かしてくれたのか、不思議探索のグループ分けは見事に男女で別れたのであった。
「で、さっきの話だが」
 俺は先の日曜に俺とハルヒとの間で行われた会話、今朝の目覚まし一斉停止事件をかいつまんで説明した。長門にも確認したが、どうもハルヒのせいらしいと俺が言うと、古泉はいっそう笑顔になりやがった。そんなに面白いのかよ。
「ええ、とても興味深いですね。あなたと涼宮さんは一種の賭けを行っているわけですが、その賭けに負けたくないというのが理由の1つでしょう」
 聞きたくないが他の理由は。
「他の誰でもなく、あなたに奢ってもらいたいということですね」
 だから何でそうなるんだ。何で俺なんだよ。
「さて、何故でしょう」
 とぼけた表情で言う古泉は、本当は理由が分かってるんじゃないのか?
 それはともかく、賭けだとしたら本来なら無効だぜ。明らかに反則行為だ、これは。
「ですがどんなスポーツでも、審判や判定基準に該当するものが反則に気がつかなければ反則は取られません。この賭けの場合、涼宮さんは参加者であり審判でもあるわけですからね」
 参加者が審判ってどんなスポーツだよそれ。いや、スポーツじゃねえってのはわかってるだがな。しかし審判がハルヒである時点で俺に不利なことには変わりないってことか。しかも不正行為に自分で気がつかないと来りゃ、俺にはどうすることも出来ないわけだ。
 忌々しい。

 それから毎週土曜日、俺はハルヒが自分で気がついていない不正行為のおかげで、最後になるどころか遅刻することすら多くなった。
 ぬかるみを走行した車にあり得ないほどの泥を跳ねかけられて着替えに戻る。
 いきなり迷子に遭遇し、結局警察まで届けに行く。
 自転車が途中で壊れたこともあった。
 いちいち遅刻の連絡を入れるのだが、そのたびにハルヒは機嫌が悪くなるようで、しかもたいがい俺の遅刻はハルヒのせいなわけで、ほんとに誰か何とかしてくれ。

 何とかして欲しいのは古泉も同様らしい。
 平日の放課後、いつものSOS団の活動の最中、古泉がこの件を話題に出してきた。
 当たり前だがハルヒはいない。掃除当番なのだが、何かトラブルがあってかなり汚れている箇所が当たってしまい、時間がかかっているらしい。
「しかし困りましたね。涼宮さんはご自分であなたの遅刻を誘導していながら、ご自分でそれを自覚していない。そして、あなたの遅刻が本当に事情があってのことだということが分かっていても、どうしてもイライラしてしまうようです」
 理不尽だ。ハルヒが何もしてなけりゃ、俺は一番乗りになることも出来たはずなのに。
「ええ、その点については同情します。それに、僕たちに取っても問題なんですよ。涼宮さんの機嫌が悪くなるということは」
 最後まで言わんでもわかる。例の灰色空間が発生するってことだろ。そして下手すりゃ世界の終わりか。もしこれで世界が終わったとしたら、なんつー間抜けな理由で終わっちまうんだよ、世界。ハルヒが俺に遅刻させといて、その遅刻が気に入らないからだって? 安いなんてもんじゃねえ、情けねえぞ、世界。
「発生している閉鎖空間は小規模なもので、すぐに世界が終わるような物ではありませんが、今後どうなるか分かりません。出来れば手を打ちたい物です」
 手を打ってくれ。何でもいいから。一番何とかして欲しいのは俺自身だ。
「キョンくん、大丈夫ですかぁ?」
 ちょっと場違いな心配をしてくれるのはさすがというべきか、それでもあなたが心配してくださるだけでこんな問題は何でもないという気がしてきますよ、朝比奈さん。
 ……と強がって見ても、やっぱりもう嫌だ。もういきなり自転車のハンドルが外れたり、選んだ道すべてが道路工事で車どころか自転車まで通行止めになっていたりするのは勘弁して欲しい。
 ここで頼れる人物はやはり1人しかおらず、その人物に頼るのは不本意なんだが、今は仕方がないのかもしれない。1度だけ早く行ってしまえば、後は最後になって奢りでもいいさ。受け入れてやる。だから、この強制遅刻だけはやめさせてくれ。
「長門、何とかハルヒの能力発動を抑制できないか」
「涼宮ハルヒの能力を制御することは不可能」
 長門はそれまで読んでいた本から始めて顔を上げて、漆黒の瞳で俺を見た。
「そうか、やっぱり無理か……」
「能力を制御することは不可能。しかし、あなたに能力の影響が及ばないようにすることは、一応可能」
 一応? 長門にしてはめずらしい言葉だ。長門が無謬性の塊であるなどとこれっぽっちも思っちゃいないが、やはり不確定要素の多い言葉はあまり用いたがらないのが長門だと思ってはいるわけで、「一応」とか「取りあえず」なんて言葉は長門らしくない。
「涼宮ハルヒが本気で望めば、わたしに出来ることは何もない」
 なるほど、そう言うことか。
 でも、取りあえずでもなんとなくでもいいから、いい加減この遅刻地獄から解放して欲しいわけで、俺は長門に頼むしかない。
「それでも何とかしてくれるか」
「了解した」
 長門は膝のにあった本を閉じて長机の端に丁寧に置くと、音もなく俺に近寄ってきた。そしていつかのように
「手を」
 と言って自分の手を差し出した。俺はもう何をされるかはわかっているので驚きはしないが、古泉と朝比奈さんに注目されているのでなんとなく恥ずかしい。
 長門は何故か一瞬ドアの方を気にしたような気がしたが、俺の手首を握ると、やはりいつかのようにかがみ込んで、俺の手首を甘噛みした。
 ほんの数秒の間であった。それもすぐ終わることが分かっていたし、まあ多少恥ずかしいにしても、古泉も朝比奈さんも事情が分かっているわけでどうってことないかと思っていたのだが、ここで明らかに事情も分かっていなければどってことないなんて言ってられない奴が登場しやがった。

「やっほー! 遅くなったわね……って、ちょっと有希? キョン?」
 長門は何事もなかったかのように俺から離れると、本を手にとって定位置に戻った。おい、どうすんだよ、この状況。
 古泉は何とか笑顔を保っているが、明らかに動揺している。朝比奈さんは赤くなりながら怯えるという器用な表情を作っていた。
「ちょっとキョン! あんた有希に何したのよ! 有希が大人しいからってあんた……!」
 ちょっと待て。今の状況で何で俺が長門に何かしたって話になるんだ。どう見たって俺は何もしてないだろうが。
「うるさい、このエロキョン! あんた有希に手を出すなんて1億年早いのよ!」
 朝比奈さんのときは2億5千600万年じゃなかったけか。その数値の差はなんだろうね、とは言っても1億年どころか後100年も生きないだろうから、それだけ差があっても何の意味もないのだが。

 とにかくこの日は、当事者の長門はまるで関係ない顔をして本を読んでいるし、朝比奈さんは慌てふためくばかりだったのだが、古泉が俺の無罪を証明、と言うよりはひたすら弁護してくれたおかげで何とか解放された。
 しかし長門、お前あのタイミングでハルヒが来ることが分かっていたんじゃなかったのか? だからドアを気にしたんだろ? 何で分かっててあのタイミングでやったのか。
 ……やっぱりお前流のわかりにくいギャグだったのか、長門。


 さて、相変わらず毎週土曜日は学校が休みだというのに不思議探索とやらに当てられていて、俺は今度こそ! と意気込んで前日の目覚ましをセットした。目覚まし自体が壊れる可能性は約30%程度(それでも充分高いぞ)なのだが、最初からトチってしまっては意味がない。
 翌朝、目覚ましはセットしたとおりに鳴り響き、俺は第一関門をクリアしたことに安堵した。さて、今日最後にならなかったら、長門にくらいは奢ってやるべきかな。

 結果。
 長門様々である。
 俺が集合時間の1時間前に北口駅前に着いたときには誰もおらず、20分~30分の間に長門・朝比奈さん・古泉の順で現れたときには鬨でもあげたい気分になったぜ。
 これで最後はハルヒに決定だ。

 そのハルヒは集合時間の25分前にやってきた。こんなに早く来るんだったら、最初から集合時間を30分前に設定しておけばいいのに、理不尽だ。そんなに俺に奢らせたいのかね。
 それはともかく、俺は以前のハルヒのようにニヤニヤ笑ってハルヒを迎えてやった。さあ、約束は守ってもらうぞ。
「な、なによ! いつも遅刻のやつがたまに早く来たからって偉そうにしないでよね! 普段の行いが大切なのよ! いつもあんたは弛んでるんだから、今日だけ早く来れたからって他の団員よりポイントが上がると思ったら大間違いなんだから!」
 その謎の団員ポイント制はともかく、今日は約束通りお前の奢りだよな。
「わ、分かってるわよ、そんなこと! あたしが払えばいいんでしょ! ほら、さっさと喫茶店に行くわよ!」
 ハルヒは怒ったような顔をしているが不機嫌そうではない。笑いながら怒ったり、怒ってるのに機嫌が悪くなかったり、こいつの感情はいまいちよく分からない。
「あなたが遅刻せずに来たことがよほど嬉しいと見えますね。しかし、自分が奢るハメになったのは面白くない。人の感情という物は一次元では定義できない物です」
 なんとなくわからんでもないが。
 ハルヒは怒った顔を崩さないまま喫茶店でアイスカフェオレを一気飲みし、俺を睨んで伝票を引っ掴むと、傲然とレジに向かっていった。そんな初陣で先陣を任された士官みたいな顔をしていくから見ろ、レジの店員さんが明らかにビビってるじゃないか。

 よほど俺に文句を言いたいのか、その日の探索はハルヒとペアになってしまった。今日は1日この怒り顔でいるつもりかね。
 しかしハルヒは結局文句を言うわけでもなく、俺の手首を掴んでひたすら歩き回るだけであった。おい、そんなに勢いよく歩いてちゃ見つかる物なんかないにしても見つからないんじゃないのか?
「意味わかんないわよ」
 相変わらず微妙に怒った顔をしてちらりと俺を見ると、それだけ言って黙り込んだ。何なんだ、いったい。
「お前はそんなに俺に奢らせたかったのかよ」
「ち、違うわよ、バカ! あんたに遅れを取ったのが一生の不覚だと思っただけなんだから!」
 だから俺に遅れをとったのは3度目なんだから、お前は人生3回送る気か。
 しかし、いい加減に怒るのをやめてもらえないかね。俺は何も悪いことしちゃいないんだが。こうやってずっと怒り顔ばかり見るのは、入学したての頃以来だな。あのころに比べて、本当にいろんな表情をするようになったってのにもったいないぜ。
「ハルヒ」
「なによ」
「せっかくだから今日は奢ってもらったけどな、心配しなくても来週からは俺が最後だろうよ」
 俺がそう言うとハルヒは少し意外そうな顔をしたが、すぐに笑顔になった。
「そうよね! あんたがそんな簡単に心を入れ替えるとは思えないし! まあ、団長がヒラの団員に奢ってあげるなんて本当ならあり得ないんだから、今日は感謝しなさいよ!」
 やれやれ、単純なやつだ。
「まあ、たまには俺だって奢られる方の立場にもなってみたいさ。財布も厳しいしな」
 しかしいくら財布が厳しくても、俺が早く行こうとするたびに邪魔されてはかなわない。だったらもうしばらくはこの罰金制度の餌食に俺の財布を差し出すしかないだろう。
「たまには古泉あたりが最後になるのも見てみたいがな」
 あいつだったら経費で落ちそうだ。たまには代わりになりやがれ。
「古泉くんはあんたと違って文句なんか言わないわよ」
 そりゃそうだろう、とは言わないでおいた。何でと聞かれても答えられるわけがない。

 翌週からの不思議探索は、結局俺が最後に行くといういつものパターンに戻ってしまった。だが、ハルヒに笑顔が戻ったんだから、もう他のことはどうでもいい。また財布を痛めつけることになっちまったが、俺が実際に遅刻して不機嫌になったり、逆に自分が罰金を払うことになって怒った顔ばかり見せられるよりよっぽどいい。

「キョン! 遅刻! 罰金!!」
 やたら嬉しそうに宣告するハルヒに、俺もいつも通りに言ってやる。
「だから時間には間に合っているだろうが!」
 言ったって無駄なのはわかってるのさ。でもハルヒが毎回同じセリフで俺を迎えるのだから、この会話はもう挨拶みたいなもんだろ?
「そんなこと言ったってダメ! 今日の喫茶店も、あんたの奢りだからね!」
 そう言うハルヒは、今日も雲一つない空のような笑顔であった。


 そういや、何でハルヒは俺にばかり奢らせたがるんだろうな?
 ……やれやれ。


  おしまい。