エイプリルフール
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 俺がいったい何をしたって言うんだ。
 何で俺がこんなところにいなきゃならんのだ。
 古泉、解説係の仕事を放棄してないで早く来て説明しやがれ。

 いや、それより早く俺をここから出してくれ。

 俺が居るのは小さな部屋。
 窓には鉄格子、ドアには鍵。外は暗い。
 そして、部屋の中にあるのは病院の診療台のような堅いベッドのみで、他には何もない。

 これが脱出ゲームだと言うのなら、怪しげな紙片や半分くらいジュースが入ったコップとか、いかにも読んでくれとばかりに数冊だけ本が並んでいる本棚とか、用途の分からない小さなブロンズ像があったりするはずなのだが、本当にここには何もない。
 何もないからすることもなく、俺はベッドに座り込んだ。

 どれくらいそうしていたのだろう。時計すらないから時間の感覚もない。
 最初から心に小さく巣くっていた不安の種は、だんだん成長を始め、今では俺の中のほとんどを支配するまでになっている。
 俺はここから出られるのだろうか?
 まさか、このままずっとこの部屋に……。

 思わず身体を震わせる。
 ずっとこのままなんて冗談じゃねえ。
 何とかしてここからでないと。だが、どうすればいい?

 いや、方法は一つしかないんだ。













































「ハルヒ! 俺が悪かった! いい加減ここから出してくれ!」
 俺はドアに向かって叫んだ。その瞬間、ドアが開く。お前はずっとドアの前で待機してたんじゃないだろうな。
「やーっと素直に謝る気になったのね。今度こんなことしたらこんな罰じゃ済まないからね!」
 まあ、確かにちょっと調子に乗ったかもしれない。
 だが、エイプリルフールに「ごめん、他の女の子の家に泊まったことある」なんて言うくらい可愛いもんだろ? 次の瞬間には嘘だってばらしたんだぜ?
 それくらいで「お仕置き部屋」に放り込むことはないだろうが。
 てか、何で俺の家にはお仕置き部屋なんて謎の部屋があるんだよ! 誰だよ設計した奴! ローン払ってるのは俺だぞ! それに暖房くらい入れやがれ。寒いだろうが。
「まったく、俺が他の女なんて目に入るわけねーだろ……」
「え? なあに?」
 すっかり機嫌を直した我が妻が、俺の独り言を聞きつけて振り返る。
「なんでもねーよ」
 過剰な罰を与えられて多少は腹が立ってるんだ。わざわざ言ってやんねーよ。
「それにしてもあんたも根性ないわよね。10分しか保たなかったわよ!」
 してやったりの笑顔でハルヒはそう言うと、食事の支度をするために台所に向かった。

 10分しか保たないって? ハルヒと同じ家にいながら10分も顔を見ないなんて、耐えられるわけないだろ、バカ。



アホネタです。すんません。